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詩誌 空想
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二〇〇九年十二月

2009-12-11 成り変わり 古月
2009-12-10 眩夜光 透夜
2009-12-01 習作五句 古月

成り変わり 古月


髪を結わえど瞼は針山
紅を差せども頬は熟柿
臭い立つ肌、稚児の麝香
何れ人には変りなければ
骨の一つも残しはせぬと
打ち棄てられた糸引き車
川溜めを浚う水車
畜生腹を見ていた風車
寄って集って女を教える

父は目交う、母は抱く
私は何処へ、いつ帰る
黒目と白目が転繰り返って
唄をうたったり影絵をしたり
片耳の狐、首攣る雁、顎の無い犬
八手か羊歯、楓か椛葉、何れ人でなし
覗込んでは涎を垂らし
唯々耽る、光る指先
乳房の先の、縊れへと這う
膨らみ、捲れ、開き、口を開く

畳の下には知らぬ顔の
私と、母と、母に纏わる
見知らぬ、敬う、喉奥を撫ぜる
流せど、噤めど、血の巡り、巡り
逆子の腹が支えて、痛い
赤子の私は母を嘔く
母に成る迄、生まれては死ぬ
堂々巡りの物云う菩提
目元から変じる、成り変わる

眩夜光 透夜



目を閉じてみると
まぶたの裏に
明るい夜光色の円が見えます
欠けた日時計型のそれが
あまりに眩しいので
わたしは目を背けようとするのですが
逃れられない
仕方なく目を開けると

あたりはみな眩い闇に沈んで
わたしの上に凭れているだれかの
顔も見えない

習作五句 古月


 
呼吸していない瞬間死んでいる

あのね、のしたにわたしをうめている

野分して光る死人が立っている

嘘ばかり道理で昼もあかあかと

二階屋で蝶を飼うよなおとこなり